駿来

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俺が住み着いてから功太朗とはいろいろな話をした。 功太朗は結婚に夢を持っているようだけど 御曹司のくせに自分で結婚相手が選べるのが羨ましかった。 聞くと高校の時に会社は継ぐから恋愛には口を出すなと約束させのだとか。 俺はまさしく"目から鱗"を感じた。 そうか…そう言えばよかったのか。 俺もキッパリそう言い切ってみれば良かった。 もしダメでも…その時に考えればよかった。 俺は逃げてばかりだったんだ。 そうだ、昔の俺は家から逃げるために女と付き合っていたのだ。 そして今は鈴の面影からのがれるために 酒と女に逃げているんだ。 もう繰り返すまい。 俺がキチンと生きようと思った瞬間だった。
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