駿来

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ビックリしたのは 何事もなく就職した功太朗がある時 急に海外に逃げ出した事だ。 何があったかは分からない。 守もよく分からなかったらしい。 遊んでくれるやつがいなくなったと嘆いていた。 自分の思いもなかなかままならないものなんだな 突然家主を失った家で一人暮らしが始まった。 何の変化もない日々を過ごしていても 夜中にふと 指の先まで震えるほど 鈴の事を思い続けている自分がいた。 簡単に忘れられると思ったあの頃の自分を殴りたい 何故戦わなかったか抗う事もせず受け入れた そして今もなおウジウジと逃げ回っている 今はいない功太朗のマンションをベランダから逆に眺める 俺はどこからやり直せばいいのだろうな…
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