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顔と”噂の先輩”と3年生、だけの情報で
きちんとした名前も分からぬまま
返事をしたはいいけど
そのまま先輩とは別れてボーッと一日を過ごした。
授業が終わり帰宅しようとすると
廊下がザワザワとしだし
教室に小さな悲鳴が沸き起こった
何かとドアの方を見ると先輩がいて「帰ろう」と言われた。
バッとみんなの視線が集まり
思わず下を向いてしまった私の手を
先輩は掴み「出れる?」と聞かれたので
慌てて鞄をとり「ハイ」と言うと
そのまま歩き出した
何故かしーんと静まりかえっていたと思う。
先輩の足音と私の足音が
不協和音のように響いていた。
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