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〈水戸黄門〉〈スーパーマン〉〈暴れん坊将軍〉ほか
〈水戸黄門①〉
F藩家老屋敷。
静謐なたたずまいに、息せききって入って行くのは御用達商人丹波屋。
「御家老さまたいへんです!」
座敷では、主である家老が次の茶会に出す道具を吟味していた。
「どうした丹波屋」
「最近、御家老さまの身辺を嗅ぎまわっている縮緬問屋の隠居ですが、その正体が判りました。どうやら諸国を漫遊している水戸光圀公のようで・・・」
「何! 水戸の御老公だと」
「なんでも諸国の悪巧みを暴いて廻っているようで」
家老の顔に苦渋が浮かぶ。
「噂には聞いていたが、ここにも現れたか・・・ウゥム」
「このままだと作物を買い占める計略が知られてしまいます。いまも助さん格さんという配下の者がかぎ回っているとか・・・」
「何か手はないか!」
「それなんですがね、どうやら葵の御紋が入った印籠を出して名乗るそうなので、その印籠を盗んでしまえば・・・」
「なるほど、ただの縮緬問屋の隠居として始末できるな。・・・そちも策士よの丹波屋。ヌフフ」
「御家老さまには及びません。エヘヘ」
②へ続く
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