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そんな日々がつづいたある時、旅の僧侶が通りかかった。
試しに村長が、その事を相談した。
すると僧侶は、しばらく考えると、壁に背を向けて歩きだした。
村人たちは、あきれてしまい、
「なんだ臆病な坊さんだなー。逃げて行くとは」
「この役立たずのクソ坊主ー」
と僧侶に浴びせかけた。
しかし僧侶は無言で、どんどん歩きつづけた。
野を歩き……海は舟で渡り……山を越え……地球をクルーっと1周した。
そうやって僧侶は、その壁の向こう側に行き着いた。
壁の傍には、村人たちから聞いた怪物が、壁の方を向いて座っていた。
僧侶は、思案し……
――このいう怪物の急所は背中にあるハズ……!――
と考えを決めた。
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