そこに壁が在った…

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 僧侶は無言のまま、村人に連れられて行った。  その半時間後、開いている壁の向こうから、食べられた村人や旅人が戻ってきた。  驚いた村長が、旅人に事情を()くと、 「実は、あの怪物には、以前も会ったことがあって、胃袋が二つあることを知ってたんです。 それで、何とかなるだろうと、私の指示で胃液の出ない方の胃袋で待ってたんです。 すると、何故か怪物が死んだので、口から逃げ出すことが出来たんです」  村長は、助かった村人たちと喜びあった。  が、自分の(おろ)かな判断で、僧侶を殺してしまった事を(なげ)いた。  そのため、持っていた短刀で自分の首を切ろうとした。
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