そこに壁が在った…

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 すると、僧侶を殺すように命じられた村人が、 「お坊様なら、後で殺そうと思って、家の蔵に入れてあるよ」  村長はホッとして、僧侶を外に出し、陳謝して礼を言った。  僧侶は「誰にでも間違いはある」と許した。  旅人は「また良い経験ができた」と笑った。  そして二人は村を後にした。  村長は、壁が閉じないように支えを設置すると、その向こうまで村を広げた。  その壁の向こう側は、自分たちの村とよく似ていたのだが……  例の怪物に食べられてしまったのか、村人は皆無だった。  こうして村には、平穏な暮らしが戻った。  ――おわり――
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