27人が本棚に入れています
本棚に追加
/248ページ
彼と別々の高校になることはわかっていた。
違うクラスの美希でさえ、彼の進路を知るのは難しくなかったのだ。
誰がどの高校に行くか。
それが美希たち受験生にとっては、最大の関心事だったから。
生徒たちの間には、志望校を訊かれたら答えなければならいような雰囲気があった──本当は言いたくなくても、だ。
まあ、だからこそ美希は知ることができたのだともいえる。
彼が県内きっての名門男子校に進学する、ということを。
最初のコメントを投稿しよう!