失恋の記憶

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彼と別々の高校になることはわかっていた。 違うクラスの美希でさえ、彼の進路を知るのは難しくなかったのだ。 誰がどの高校に行くか。 それが美希たち受験生にとっては、最大の関心事だったから。 生徒たちの間には、志望校を訊かれたら答えなければならいような雰囲気があった──本当は言いたくなくても、だ。 まあ、だからこそ美希は知ることができたのだともいえる。 彼が県内きっての名門男子校に進学する、ということを。
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