第三音【D.C.】

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 「急だろうがなんだろうが、俺の言う事は聞いてもらう。ガキを隠そうなんて思うなよ?大人しく全員渡せばいいんだからよ」  女性が何も言わずにいると、男はさらにこう続けてきた。  「人間に成りきれなかった分際で、偉そうにしてんじゃねえよ」  「・・・・・・!」  女性は思わず男に掴みかかるが、男は身体を避けて回避すると、後ろにいた男の部下たちによって身体を拘束されてしまった。  「早くしろ」  男の指示によって、部下の男たちは次々に孤児院の中へと入って行き、そこにいる子供達を車へと乗せていく。  何が起こっているか分からない子供たちの中には、逃げ出そうとするものや泣き叫ぶ者もいたが、そこは大人の力を使って無理矢理連れて行った。  「マザー!!マザー!!」  「マザー助けて!!」  「怖いよーー!!」  子供たちが女性に助けを求める声を聞くと、男は何やら腹を抱えて笑った。  「マザーだと?そんな呼び方されてんのか?お前も相当狂ってるな」  「関係無い!!」  抵抗してみたものの、子供たちはあっという間に全員連れていかれてしまった。  そして女性も、檻に入れられてしまった。  檻に入れられた女性だが、その中で暴れることもせずに正座でじっとしていた。  子供たちが連れて行かれた場所は、きっとあの男が所有している研究所だろうということは容易に分かったが、危険であることもまた分かっていた。  だとしたら、どうして自分はあそこで子供たちと一緒にいたのだろうと、自暴自棄にもなってしまう。  食事が運ばれてきても、女性はそれを口にすることはなかった。  翌日10時ごろから、女性を取り調べると言われ、部屋へと移動した。  女性は椅子に座ると、よく分からない男達から色々と言われ続け、女性が分からないと答えると、また罵倒された。  女性が大人しくしていたからか、女性を見張る人数は2人になり、女性はトレイに行きたいと言うと、1人は部屋に残っていた。  女性が個室に入ってからしばらくしても出てこないため、中を見たとき、そこに女性の姿は無くなっていた。  まさか逃亡するとは思っていなかった担当の男たちはすぐに上に報告をした。  「あなた達は確か・・・」  「静かに。ゆっくり話が出来る場所まで移動してからに」
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