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「最近始まったのが、人外生物と人間の子供が作れるかどうかということ」
「・・・それってつまり」
あまりの衝撃に、言葉が詰まってしまった。
人外生物は、そもそもオス・メスといったものがあるのか、単体で増えることが出来るのかさえ分かっておらず、これまえの研究によると、男の子でも女の子でも、子供が出来たという結果があるのだ。
つまりは、両性ということなのだろう。
相手が男の子の場合は人外生物が子を孕み、女の子の場合は女の子が子を孕むのだそうだが、その成功というのも、これまでの研究の数のうちわずか3%にも満たない成功率だそうで、ほとんどが死んでしまうか、吸収されてしまうという。
少し前までは、身体の一部を切断してくっつけるということもしていたようだが、拒絶反応が起こるばかりでちっとも成果が出ないということで、ようやく終止符を打った。
一方で、今度はある程度の年齢になった子供たちに酷いことをして子供を作らせるなど、言語道断だ。
まだ子供を産めない状態の子供に至っては、子供を作る為に必要なものを身体から採取され、体外受精のようなことをされるという。
あくまで理論上の計算をしているだけの研究者は、いつかは成功すると願って研究を続けているらしいが、それなら自分達が被検体になれという話だ。
人外生物に性欲があるのかもわかっておらず、興奮、などという感情があるのかも分かっていない。
ただ人外生物にも個体差があり、常に暴れていなければ済まないものと、比較的おとなしいものといる。
その大人しいものを生殖対象とし、子供たちを接触させているのだ。
他にも、子供たちには色々な研究、というよりももはや人体実験が成されている。
人外生物と子供たちを一緒の空間にいれていたら、もしかして同じ生物を勘違いするのでは、という研究では、ものの数分で子供たち全員が食い荒らされてしまったという。
「そんなことして、何がしたいんだよ」
「見た目は人間、しかしいざという時はその生物の性質が欲しいのかと」
「意味分かんねえ・・・。理解出来ねえ」
その時、顎に手を当てていた碧羽が口を開く。
「もしかして、誘拐された子供・・・」
「ええ、多分」
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