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芥子乃たちは、自分達の研究がバレてしまうのを恐れて、裏で色々と動いていたのかもしれない。
人外生物をどこから連れて来たのか、それは今のところ分からないようだ。
何にせよ、このままではいけないということだが、芥子乃たちのように、沢山の人達を動かせる立場にもない3人は、これからどうしようと考えていた。
しかし、1人だけキョトンとした顔でこう言い放つ。
「平気じゃね?だって、俺達にはりゅうちゃんが作った武器があるし」
「そりゃそうだけど、人外相手に効くとは限らねえんだぞ?」
「あ、そっか。ま、いいじゃん。なんとかするって、俺が」
「頼りないけど、何かあったらこいつを囮にして逃げるか」
「賛成」
「ひっど!まじでひっど!!」
重たい扉が開く音がすると、外からあの男たちが中に入ってきた。
そして辺りを見渡すと、待ち構えて攻撃をしようという話をしていた。
「なっ!?お前達、どうやってここに入った!?」
芥子乃が、驚いたように叫ぶ。
それぞれがそれぞれの想いで銃を構えている中、なずきだけは違った。
ここに来て少しすると、なずきはあるものを見つけたのだ。
それは、見覚えのある懐かしい顔。
首から上しかないものの、確かにそれはなずきがずっと探し求めていた、愛おしい、懐かしい、そんなもの。
子供たちにも人外にも目もくれず、なずきはそこに直行すると、カプセルのようなものの中に液体の中に浮かんでいる首を眺めた。
カプセルを床に落として割れば、その中から首を取り出し、胸に抱いた。
「お姉ちゃん・・・」
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