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親しげに話しているのかと思えば、いきなり女性が芥子乃に掴みかかろうとし、それを芥子乃が避けると、部下が女性を拘束した。
男たちは次々に孤児院の中に入って行くと、そこから子供達を連れてどこかへと移動していく。
子供が残っていないことを確認すると、女性を車に押し込み、芥子乃も別の車に乗り込んで何処かへと向かう。
柑野は碧羽の方を見ると、まずは自分を指さしてその指を子供達が連れて行かれた方向を向けてから、今度は碧羽を指さし、その指を女性が向かった方へと向けた。
そして、2人はダッシュして車を追いかけた、わけではなく、碧羽は何処からか持ってきたバイクに跨り、柑野は自転車で追いかけた。
「なんで俺は自転車!?」
女性の方を追いかけた碧羽は、女性が本部にある監獄に入れられることを知った。
芥子乃は本部に戻ってきたようで、碧羽は芥子乃にみられないようにバイクを停め、女性が連れて行かれるところまでを確認した。
一方の柑野は、子供達がとある研究所に連れて行かれるところを確認する。
中に入るには色々と必要らしく、扉が開くまでそれなりの時間がかかった。
「やべ。撮っておこう」
ようやく扉が開くと、少しだけ開いた状態のままだったため、柑野はその内部へと侵入を試みる。
「なんだこれ」
そこは研究というにはあまりにも不気味な場所で、そこには異様な形のものがいた。
それが何なのかは分からないが、とにかく柑野はありとあらゆるものを撮り続け、子供達が何処に行くのかを見届けようとした。
しかしその時物音を立ててしまった。
「やべっ!」
するとすぐに反応した出又が銃を構えたため、柑野は瞬時に出口に向かって走る。
躊躇なく撃ってくる出又だったが、扉が開いていることに気付いて閉めるよう伝えるも、柑野は危機一髪逃げおおせることが出来た。
なんとか出ることが出来て安心していた柑野だが、久しぶりに生死をさまよったせいか、多少心臓がバクバクしていた。
「すぐ戻らねえと」
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