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特別インタビュー~主人公に聞く意気込みと自己紹介~
私、園院鈴来【えんのいん すずら】。
今年からはじまるクラブ活動にワクワクしてる、小学五年生……で、いいのかな?
だって今は四年の春休み。
休みが終わって始業式を迎えないと、まだ五年生とは言えない。
うちの学校は五年生にならないとクラブはできない決まり。
だから私は五年生になるのがずっと楽しみで仕方なかった。
「鈴来は何クラブに入るの?」
自分の部屋でのんびりしてると、階下からお母さんの質問。
「実は……まだ決めてないの。」
そうはいっても、もう入るクラブは決めてある。
いいたくなかっただけ。
お母さんも、
「ふーん。」
といったきりそれ以上追及してこない。
興味がないんだろう。
まあ、しつこく聞いてくるよりいいけど。
私は頭の中に入りたいクラブの名前をうかべる。
つづいて、いつもの習慣になっているトレーニング。
うん、よし!
準備はできてる。
私は壁を見て、まだカレンダーをめくってないことにきづく。
私の部屋にあるのは、いまどきめずらしい日めくりカレンダーだ。
カレンダーをめくると、その下からあらわれる「あと一日、明日に備えてがんばろう!」の文字。
文章からわかると思うけど、これは私の手作り。
ちなみに私がつくったのは春休みのぶんだけで、あともう一つ、お店で買った三百六十五日分の日めくりカレンダーがある。
よし。
私は「明日」の文字の下に赤いマジックで線を引いて気合をいれる。
無事五年生になって、クラブに入るんだ!
今の私の頭にあるのは、その思いだけだ。
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