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三年周期、という言葉を聞いたことがある。仕事でも、恋愛でも、人間は三年で飽きたり退屈になったりするのだそうだ。どんなに夢中であっても。
贅沢な話だな、と思っていた。夢中ならばずっと楽しめばいいのに。
私の場合、理由は「限界を知った」だった。今年の春、舞台女優の仕事を始めてちょうど三年が経った頃、この世界で生きるのに、自分の実力ではどうにもできないと思い知った。飽きたわけでも、退屈になったわけでもない。
同じ先生から学び、同じような稽古をしているのに、自分だけ上達しているという実感が得られない。一方で周りのみんなは、明らかにスキルアップをしてゆく。舞台の仕事は楽しく、夢中になれるものだったが、負い目を意識するようになるともうだめだった。
しかし、公演の本番を控えていたこともあり、ちょうど三年となる春には進退を決められなかった。その後、どうしても出演者が足りないから、と新しい舞台作品にねじ込まれた。その稽古中に、仲の良い後輩の舞台女優から11月の公演に出てほしいと頼まれ、つい引き受けてしまった。
仕事が立て続けにもらえても、それは決して恵まれているというわけではない。それなりに交友関係はあったので、チケットを売る要員として呼ばれていただけだ。その証拠に、どちらの作品でもろくにセリフは用意されていなかった。
こうして春から半年にわたって、私は舞台女優という仕事を挫けながら続けるという、精神的にバランスのとりづらい時間を過ごしてきた。見ようによっては、一触即発、時限爆弾はまさに、私自身だ。
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