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<第二章>隠し事
じきに両親が見舞いに来てくれたが、
雅は何と言っていいのか分からなかった。
幸い顔を見たら、
二人の事は思い出せたので
少しほっとした。
「了君も明日来るって言ってるから。」
と、母が言う。
了君とはどうも雅の弟のようだった。
先生は自殺のショックで
記憶が混乱しているだけで
じきに思い出すだろうと言っていたが、
それだけではないような気がしていた。
だったら弟の名前まで、忘れるはずは無い。
『私に何があったのか?』
両親は歯切れの悪い話しかたをしているし、
何かを隠されているような、そんな感じだった。
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