ある男の夢 1-2

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「で、どうするんだ?」 と、そこから再び3人の説得が始まる。 望の気持ちが動く。 それに対し、謎の男が望に仕事へ行くように諭す。 これがRPGのバトルのようになり、先にHPが0になると負けとなる。 いや、RPGよりは 『もうやめて!〇〇のライフは0よ!』 のようなカードゲームのバトルの形に近いか。 どんな感じか、例を挙げてみると、 「初日の出をツイッターとかにアップすれば、会社での注目度UP間違いなしだぜ?」 と、Aが言うと、 望は30のダメージ。 「いやいや!働いてお金を稼いだ方が有意義だ!」 と、謎の男が言って、望がそれに同調すると A,B、Cに50のダメージ。 と言う具合だ。 つまり、カードゲームで言う、モンスターカードでの攻撃が、このバトルでは言葉による攻撃になるのだ。 彼らは、周りから見たらふざけているとしか思えないのだが、そういう事を真面目にやっている。 謎の男の協力により、望は、その3人を撃退(?)する事に成功。 バトルが終わったのと同時に、謎の男が消えていた。 望は引き続き、会社に向かう事に。 望が電車に乗ると、また除夜の鐘の音が一回聴こえた。 すると、またしても望を誘惑するような出来事が起きた。 その誘惑に負けそうになる望。 そんな時、今度は謎の若い女性が望を救う事になる。 これが通勤時から会社で仕事をしている時も続き、それらは100回を超えた。 それらが起こる寸前、除夜の鐘の音が一回聴こえ、見た事も無い人間が望を助けにきた。 望もようやく理解した。 これは除夜の鐘と同じく、108回あるのだと。 つまり、 『108つの煩悩に打ち勝て!』 と言う事では無いのかと。 そう考えたら、残りの8つの煩悩に打ち勝つのが楽しみになった。 その理由は、今まで自分に話しかけた事が無い女子従業員から声をかけられたと言った事の喜びもあったが、自分を助けてくれる人物達が、自分の事を真剣に心配してくれていたという喜びもあった。 107回目の煩悩に打ち勝ち、ついに残り1つになった。 それは仕事が終わり、駅へ向かう途中に起こった。 (今度はどんな奴が助けてくれるだろうか・・?) 望はワクワクしながら待った。 だが、誰も現れなかった。 何故なら、108星のうちの1人は、望本人だったからだ。 なので、最後の煩悩には、望1人で対処しなければならない。 望には不安もあった。 だが・・
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