ある男の夢 1-2

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ある男の夢 1-2

ある男の夢の話を聞き、私が考えた作品はこれです。 作品名 『煩悩にほえろ!』 以下、作品の概要。 主人公は36歳男=彼女いない歴の窓際係長。 名前は『与苦 望』(よく のぞむ)。 あだ名は『よくぼう』。 落ちこぼれで何をやってもダメダメな男で、何故、その会社に入社出来たのか、本人にすら分からない。 そんな人間なので、会社での扱いもそれなりである。 物語の始まりは、××年12月31日。 望は、今日も朝5時に起きて仕事に出発する。 (今日で今年も終わりか・・。仕事を終えて帰る頃には、除夜の鐘が聴こえるんだろうな) と、しみじみ思いながら最寄り駅に向かう望。 家に到着するのは、いつも夜の11時頃だからだ。 が、最寄り駅に着くと、いきなり鐘の音が一回だけ聴こえた。 (今のは除夜の鐘か?いや、気のせいだよな・・) と思っていたら、いきなり後ろから声をかけられた。 それは中学生の時に、特に仲良くしていた男3人組であった。 「どうしたんだ?こんな朝早く?」 望が尋ねると、3人のうちの1人の『A』が 「〇〇山に登って、初日の出を見るんだ」 と言った。 今から向かえば、現地到着は午前8時ぐらい。 それから準備をし、約10時間をかけ山の頂まで行き、そこでキャンプをするのだと言う。 「お前は仕事か?」 と、3人組の1人の『B』が言った。 「そうだ」 「お前も行かないか?仕事なんてサボってさ!」 3人組の1人の『C』が言った。 「う~ん・・」 正直、こんな良い話はめったに無い。 いや、二度と無いだろう。 望の心は行く方に傾いていた。 「待て待て!!」 「うおっ!?」 いきなり声が聞こえたので、望は後ろを振り返った。 見ると、20代ぐらいの、見た事が無い男がすぐそばにいてこっちを睨んでいる。 「どうしたんだ?」 Aが望に尋ねた。 「今、こいつが俺に『待て!』って・・」 望がその男の方を指さした。 3人はお互いの顔を見合わせた後、Aが言った。 「こいつって?どいつだ?」 「へ?ここにいるじゃないか」 「だから、どこに?」 「ここだよ!ここ!!」 望は自分のすぐ後ろをもう一度指さした。 それに対して、今度はBが言った。 「何を言ってるんだ?誰もいないじゃないか。なあ?」 「ああ」 Bの言葉に、AとCが頷いた。 (もしかして、俺にしか見えないのか・・?) 望は少し不安になった。
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