カフェテリアにて

2/2
1727人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
「この間のショー、評判良かったよ」 「あ。ありがとうございます。」 「どう?やってて楽しかった?」 「うぅーん…。大変でしたけど。 楽しいとか、楽しくないとか、あんまりそこまで考える余裕がなかったというか。」 「またやりたい?それとも今度は違った仕事してみる?」 「って、私、そんなに仕事するつもりないんですけど。」 「あっ、そうそう、これ!」 カラヤの言葉を遮るように、ユーカがファイルから何かを取り出した。 「はい、これ、イベントショーのバイト代ね。 その明細金額を振り込みするから。」 ユーカに渡された明細書を見て、カラヤは目を見張った。 「こんなに…? え、これ、ホントですか?」 「もちろん。事前に伝えてたのは保証されてる時給だから。 実際はそこに、出来が良ければ成功報酬、つまりボーナスが上乗せされるの。」 ユーカはそこでちょっと声のトーンを落とした。 「で、逆に失敗すると、損害金の支払いが発生する可能性もあるんだけど。」 「! そんなの、聞いてませんでしたよ! ・・・でも、まぁ、失敗しなければ良いんですよね。」 「どうする?いくつか仕事来てるけど、話聞く?」 「は、はい、お願いします。」 (わぁ、世間知らずなんだなぁ。あれだけの仕事しといてこの金額で喜ぶなんて…。) ユーカはカラヤに渡した明細書の控えをファイルにしまいながら 14,000円 ーーー 打ち出された数字を見て (本当なら0が一個多いだけじゃ済まないんだけどね) 心の中でペロリと舌を出した。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!