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15歳の少女カラヤは帰国子女だったが、両親共に魔法力のない一般人であり、ごく普通に生活をしていた。
魔法力検査も目立った数値ではなく、学業成績もこれまた中の中、つまり普通の学生だった。
しかし幸か不幸か、彼女の容姿だけは普通ではなかった。
その美しさゆえに目立ちすぎる容姿により、彼女は常に人の視線に晒される生活だった。
ある時、カラヤは上級生の女子数人に呼び出された。
ナントカ先輩と馴れ馴れしくしただの、男の先生から贔屓されてるのは色目を使ったからだの、よくある言いがかりだった。
そんな時の対処法は、口答えせず受け流すこと。
今回もそうするつもりだった。
だが、取り囲んだ女子のうち1人が手を出してきた。
段々とエスカレートし、ついにはカッターで顔に傷をつけてやる、などと言い出した。
カラヤは彼女らの言動を恐怖ではなく、新鮮な思いで見つめていた。
脅しのつもりだったのか、上級生の女子は花壇に咲いていたチューリップを引きちぎり、刃を突き立てるとバラバラになった花弁を投げ捨てた。
更に、カラヤから奪い取った鞄に付いていたマスコットを引き裂き、踏み付ける。
カラヤが泣き叫び、許しを乞う姿を見せれば溜飲も下がったのだろう。
しかし女子達はカラヤの動じない態度に更に激昂した。
とうとうカラヤの結んだ髪を引っ張り、頬にカッターナイフをあてた。
地面にポタリ、と鮮血が落ちた。
女子はその血を見て我に返った。そこまでやるつもりではなかったのだ。
動揺した女子がカラヤの顔を見た時、彼女はカラヤの様子が普通ではない事に初めて気が付いた。
次の瞬間、取り囲んでいた数人の女子は全員、意識を失った。
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