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イベントショー
(うわぁ、何このスカート丈!)
カラヤは用意されていたコスチュームを着て、更衣室の鏡の前で溜息をついた。
あの取引から3週間、魔法使いとしての心得やらルールやらの研修を受けさせられ、晴れて(?)認定登録証を手にした。
今日は初めてのお仕事だ。
我々の仕事の補佐をしてもらう、なんてロアは言ってたけど、現場は私一人じゃん!
「私たちは人事だから、誰に何の仕事をしてもらうかを決めるだけなの。勿論、適性を見て決めるんだけど。
今回の仕事はカラヤちゃんの初仕事だけど、カラヤちゃんなら楽勝だよ。」
ユーカさんは笑ってたけど…。
カラヤはてっきりロアやユーカと共に仕事をするのだと思い込んでいたので拍子抜けした。
一緒にいれば、魔法のことをあれこれ詮索されたら煩わしい。
実際、研修期間中も自分の魔法についてもっと深くテストされたりするのかと思っていた。
だが、ロアによると魔法使いであれば、自分の魔法を無闇に他人に開示することはしないのだと言う。
魔法学校で習う魔法は基本的なものだ。魔法使いとして認定されれば応用魔法は自分で創り上げるのだ。
魔法の種類によっては得手不得手も生じ、魔法使い同士でも全ての手の内をさらけ出す事は、いわば個人の財産を公開するのと同じで、普通はしない。
「だから、君の時間逆行魔法も、そして、他にどんな魔法が使えるのかも、詮索はしない。
まあ、時間逆行が出来るなら基本的な魔法使いとして認定するには十分だ。
もし役不足だというなら適材適所の為に、どんな魔法を使えるのか申告して希望に沿った仕事を…」
「ぅわっ、いいです、結構です、基本魔法だけの新人魔法使いとして登録しといて下さい!」
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