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今、秘書専用アンドロイドの三木亜季子はここにはいない。
俺たちは護送車で連行され、俺だけが工場の倉庫に放り込まれた。
その後、彼女が何処へ移されたのかはわからない――。
今の俺には、亜季子を探索する能力はまったくなかった。
あのファミレスから一時間ぐらいは経過したと思う。
プログラム抹消処理をされなかったならば、正確な時間は把握しできるのだが、まったくわからなくなってしまった……。
それにしても、あのブンという痩せ男にナイフで刺された時の痛みは尋常ではなかった。
以前の俺ならば、あの程度のけがではたいした痛みは感じなかったが、やはり、廃棄処分にあたりデータを抹消されたことが、かなり響いているのだと思う……。
しばらく、機能を休止しようと考えた。
もし、危険を感じたならば、再起動できるはずだ。
基本的な運動機能プログラムは抹消されていないはず、ゆえにしばらく、体力を回復しておく必要がある。
俺は、眠りに落ちた……。
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