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「どうしてなんですか? 私は与えられた仕事は完璧にやってきたはずですが――」
勇気を出して、平坦脳波に言い返した。
「それだよ。その自分を返りみない傲慢な態度。自分が絶対正しいと一歩も引かない姿勢。――アンドロイドの第一理念は?」
「人間には絶対服従です」
俺は即座に答えた。
「そう、それなのにお前はいつも反論してくるらしいね。機械の分際で――」
「しかしですね。私は、営業用パートⅢです。商談の駆け引きには、一歩も引かないのが基本です。そうプログラムされています」
「ふん。よくもまあ、人間くさくなったもんだね。最初は『はい』しかいえなかったのにね」
棒読みのようなセリフだった。
「そりゃ、経験値も増えれば、会話も巧みになりますよ」
「もういい。お前はどうせ廃棄処分だ。早くごみ捨て場へ行くんだ。命令だよ」
その男は結局、一度も振り向くこともなく、淡々と壁と話してるように見えた。
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