第4話 ブローカー

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「ユイナ、そいつの手錠を外してやれ」  俺の拘束首輪(こうそくチョーカー)をレーザー銃で切断したヤツに言った。  ――ユイナって、女の名前だよな……?  さっきまでしていた黒い覆面を外した顔は、まさに女だった。それも、まだ十代じゃないかと思えるほど、若くて可愛かった。  しかし、彼女は、またもレーザー銃を俺の手首に向けていた。 「ゲッ、止めろっ!」  といった矢先に、左手首に凄まじい痛みが走った。続いて、右手首にも同じ激痛を感じた。 「ウギャーア!」  俺は悲鳴をあげた。 「相変わらず、大げさな兄さんだ」  彼女はニヤっと笑った。  俺の両手首は、首や足首と同じように焼け焦げた。  すでに、着ていたスーツは袖口も裾もボロボロに焦げていた。ワイシャツにいたっては、ネクタイ共々形を成していなかった。 「商品にあまり手荒なことするなよ」  顎鬚男がこっちを振り向いて言った。  ――やはり、どこかに売られるんだ。 「おや、これは……」  再びモニターを見た顎鬚男が怪訝な表情になった。 「お前、廃棄ものだな。何度も修理した痕がある。――いや、なんだあ? 初めてみる構造だ。新型……なのか、お前?」  ――新型? 俺がか? 「ふむ、数回、再生されてるぞ。くわしく調べるみる必要があるな――横になれや」  俺は、痛みに堪えながら仰向けになった。
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