第6章 新たに降臨した魔の者

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第6章 新たに降臨した魔の者

その者は邪魔な妖気を放つ者なり…。 魔の者であるが、八雲双運が率いる魔の者とは異なる魔の者、幕末に生きた剣の腕はたつのに小心者で、幕末動乱の時代に何を成すべきか分からないまま、ただ生きているだけの者であった。 その小心者の名を河原謙瑞(カワハラ ケンズイ)と、名だけは立派な名を持っていて、尾張藩士の家系で、たまたま藩命で京から大坂へと出て来たところであった。 そんなある日、河原謙瑞は青く光る青石を見つけ、その青石を手にしたのだが、その瞬間、青石はは河原謙瑞の体に吸い込まれ、河原謙瑞の身体を奪い、心を失わせ、邪悪な魔の者と化したのである。 邪悪な魔物に身体と心を奪われた河原謙瑞は、自分が何者であったかを忘れ、ただひたすらに人々を殺し、人々を絶望と恐怖させ、人々が恐怖にひきつる表情を見る事に快感し、満足していた。 そして幕末の時代は再び、絶望と恐怖の世界となったのである。 河原謙瑞は青石、通称ブルーストーンを見つけた時、青く光るモノに目が止まり。 (なんだ…?) と、思い何かに惹き付けられるように近づき、そして青く光る、その青石を手にしてしまった。 しばらく河原謙瑞は青石を見詰め。 (美しいな…青く光る石か…) と、河原謙瑞が思った瞬間である。 青石が青く眩く光り、その青い光りは河原謙瑞を包み込み、そして青石はス~ッと河原謙瑞の体の中に入り込み、青石に潜む魔物が、河原謙瑞の身体と心を奪い、そして河原謙瑞を邪悪な魔の者に生まれ変わらせてしまい、河原謙瑞は、ただひたすらに人々を殺害続ける魔の者と化したのである。
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