第6章 新たに降臨した魔の者

3/20

14人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
河原謙瑞の血を分けた父親と兄弟をも殺害してしまう、その邪魔な鬼、悪魔の所業は、すぐに畿内だけでなく、全国に知れ渡り、そして河原謙瑞を止める術などない事を知った世の人々は、絶望し、そして恐怖に身を潜め、自身の前に河原謙瑞が姿を現さぬように、ただひたすらに祈るだけであった。 そんな状況下で、天皇からの勅命として魔物である河原謙瑞を討伐せよと、幕府に下り、それが全国の各藩へと下り、特に河原謙瑞の仕えていた藩である尾張藩には朝廷と幕府から使者が遣わされ、尾張藩は先陣となり、河原謙瑞の討伐に当たるように命じられたため、尾張藩の藩主である徳川義宣は家老の渡辺新左衛門 に命じ、河原謙瑞の討伐軍を編成させ、これにより渡辺新左衛門を大将に榊原勘解由、石川内蔵允ら3000の討伐軍が編成され急ぎ、尾張から京へと向かった。 更に徳川義宣は、叔父の会津藩主の松平容保の力をかり、会津藩から2000、薩摩藩から1000、長州藩から1000、土佐藩から1000、計5000、尾張藩の軍勢と合わせて、総勢8000の軍勢で河原謙瑞の討伐軍が京に集められた。 藩主、徳川義宣に軍勢の大将を任命された渡辺新左衛門は、京に到着すると、朝廷に出向き、勅命を受けて藩主の徳川義宣の任命で、今回の討伐軍の大将になり、河原謙瑞討伐に参陣した事を告げた。 渡辺新左衛門の応対に当たったのは、近衛忠房で過激な尊皇攘夷の公家とは異なり、穏健で幕政改革を推し進めようと考える公家で、幕府よりの公家であった。 渡辺新左衛門に面会した近衛忠房は、天皇からの言葉を渡辺新左衛門に伝え、必ずや河原謙瑞討伐を成功させるように厳命した。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加