オドとフロイケの困惑

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男子高校生はただいま、と真面目な顔で答える。 「報告書を書き終わったら、こっちで飲みながら雑談でもしよう」 そう言った彼の仲間は、土色の、人間でいうと手に当たる触手をひらひらと動かした。 研究室の端に置かれた機器の前に座り、男子高校生は今日、2月14日分の報告書を淡々と記し、仲間たちが集まって談笑するテーブルについた。 男子高校生の隣には、先程声をかけてきた土色の触手を持った彼の仲間が座っている。いくつも節のある硬い貝殻のようなもので覆われた身体、頭部には灰色の厚いひだが重なり、その隙間から口や目のようなものがのぞく。 「お疲れさん、今日の学校はどうだった?」 灰色のひだを震わせ、問いかけてきた。 「フロイケ」 男子高校生・オドはそのひだと貝殻に覆われた仲間をそう呼んだ。 「今日は興味深いことがあったよ」 オドは神妙な顔で、赤い紙袋をテーブルの上に置いた。 反応を待つかのように彼はその紙袋を見つめて何も言わない。 同じテーブルについていたほかの仲間も--同じくひだと貝殻に覆われた仲間だ。オドとフロイケの前に置かれた紙袋に注目した。 「なんなんだ?これは」 「もらったんだ」 フロイケは息を飲んだ。 「まさか……。地球人にか……!」 オドは腕を組んで頷いた。 「部活の終わりに声をかけられて、渡されたんだ」 オドとフロイケのやり取りを見ていた仲間たちがざわざわと触手を動かした、息を荒くするものもいる。 「く、詳しく話せよ」 促すフロイケに応えてオドはひとつ深呼吸して、話し出した。
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