ひまわりが笑った夏

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ひまわりが笑った夏

 1.転入生  2.悪夢の始まり  3.イジメ  4.ぼくに出来る事  5.ひまわり  6.友達  7.約束  8.平泳ぎ  9.忘れられないカレーの味  10.8月20日、空色駅に夜7時  11.ひまわりの笑顔  12.空はどこまでも  1.転入生  キーンコーンカーンコーン。 1校時のチャイムがなって、担任の田中静子(たなかしずこ)先生が入って来た。 「あれ、今日、日直は?」 一番後ろの窓側に座っていた山里(やまざと)は気持ち良さそうに眠っていた。 先生は、「山里!寝ながらでも良いから日直やりなさい。」と言いながら、出席表をめくった。 周りからは、どっと笑いがおこる。 ぼくは、西川(にしかわ)友生(ともき)、小学5年生。 友生…だなんて名前を付けてもらったが、実際、今、ぼくに友達はいない。 別にいじめられているわけでも無い。 そういう友達関係が、わずらわしいので一人の方が楽、って考えたわけ。 「…んで、今日は、みんなに新しい友達を紹介します。入って来て良いよ。」 先生の声にみんなが前のドアに集中した。 ガラガラガラ…少々建付けの悪いドアが音を立てて、ゆっくり開いた。     
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