予兆を見逃さないで

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予兆を見逃さないで

 癌の摘出手術の後は、治療計画も千差万別だ。私は抗癌剤での化学療法をしていくのだが、そのエピソードの前に婦人科系の病を見逃さない為に私が感じて見逃した予兆について知って頂きたいと思う。 女性特有の臓器の病…自分が罹るとは想像もしていなかった。呑気である。 私はもともと「男性並みの比重ですねー」と感心される程、濃い血液の持ち主だった。だが、そう言われてきたのは30代まで、40代になってからは貧血気味になっていた。よくメディアなどでも「貧血気味の人は鉄分不足で氷食症になる」と紹介されている。私もご多聞に漏れず、氷をバリバリ食べていた。 ある時期から1日に3kg位の氷を食べるようになっていた。今更ながら異常である。 そして息切れと目眩。ある日を境に、これまでとは違うレベルになる。通常は徒歩8分の最寄り駅までの道のりを、徒歩30分要するようになる。立ち止まり休憩しなければ歩けないのだ。 そして、不正出血!大量だから薄い色の洋服など着られない。座ると数分で椅子にまで…ドバドバっという、内臓が全部持っていかれる感じ。この頃には通勤の際に、替えショーツを3枚は常備し、ナプキンも特大タイプにしていた。 私は50代で経産歴無しだ。色々なリスクを考え、定期的に婦人科を受診していた。 若い女性には定期的な婦人科受診はハードルが高いと思う。内診があるので、恥ずかしいと感じるだろう。でも、定期的な婦人科受診が日常化する事が大事だと思う。勿論、自分に合った信頼のおける婦人科医に出会う事が難しいのだが…。私は同年代の女医さんにかかったが、余り自分には合わない婦人科だったので、面倒臭がらずセカンドオピニオンするべきだったと後悔している。女医さんの診断は子宮内膜症だが「出血していない時にまた来て」と言われ、二度と受診しなくなった。 女性の方は、貧血と目眩がいつもとは明らかに違うレベルになり、不正出血が激しくなったら急いで受診して頂きたい。 そして男性の皆さんには、貴方の大切な人がいつもと違う症状に戸惑っていたら受診を促して欲しい。 結局、私は、毎月定期的に受診している内科の血液検査で異常レベルの貧血で、放置すると余命半年との宣告を受け、翌日から検査入院をする事になった。2018年12月17日の事だった。
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