ルール ~その1~

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で、今回も僕は彼女を怒らせた。 事もあろうか、現在社員旅行中。 同じ会社、同じ部署。 でも、みんなにはまだ二人の関係はバレていない。 いや、正確には先程まではバレていなかった、が正しい。 しばらくは二人だけの秘密にしておこう。 そう言ったのは僕の方だ。 一回り年下の彼女も素直にそれを受け入れた。 二人しか知らない秘密の関係は、誰にもバレることなく二年続いた。 それがバレてしまったのは、百パーセント僕が悪い。 早く謝りたいとは思うけれど、中々その機会を与えられない。 だって、普段謝る時には決まってどちらかの家だからあんな恥ずかしいことだって出来ていたんだ。 それが、社員旅行中で同僚も上司も部下も、とにかく顔見知りがうじゃうじゃいるこの中であれをやらなくてはいけないなんて……。 でも、ルールは絶対。 怒らせたら当日中に実行しなくてはいけない。 はあっと深いため息が無意識に湧き出てくる。 色々と考えを巡らせてはみたが、どうシミュレーションしても恥ずかしさは倍増だ。 顔見知りが至る所でウロつくこのホテル内の一体どこで彼女にアイスクリームを食べてもらえば良いっていうんだ。
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