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売店でもらった薄っぺらな木のヘラなんかで溶けかけのアイスクリームを上手くすくう事が出来るだろうか。
いつものスプーンよりは確実に一度にすくえる量が少ない。
という事は、いつもより長く彼女とあの体勢を取らなくてはならない。
その間に宴会が終わるなんて事は無いよな。
もし誰かにあんな姿見られたら、もう会社に居られない。
いや、先程それに準ずる行為をしてきたばかりだ。
僕はもう、来週からは恥ずかしくて会社に居られないかもしれない。
そもそも彼女はここに来てくれるだろうか。
あの瞬間、瞠目しながら顔を真っ赤にしていた彼女。
怒ったかな……。
怒ったよな……。
あんな恥ずかしいことされちゃったら、そりゃあ怒るよな。
これで振られたら結構キツイ。
もう、きっと誰とも付き合う事なく、一生独身だろうな。
きっと人生最後の瞬間も彼女を想いながら逝くんだろう。
なんてバカな事を色々頭に巡らせていた。
「バカ」
突然後ろから頭を小突かれた。
一瞬、頭の中を覗かれたかと思った。
振り向くと、彼女だった。
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