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僕の隣に彼女が深く腰掛ける。
「もう。何がみんなにはまだ内緒にしておこう、よ。それを言い出した本人がバラしちゃうなんて」
その声は呆れている。
「ゴメン。耐えきれなくて」
「ね?さっきのあれって……もしかして、ヤキモチ?」
一回りも年下の彼女。
その口元が勝ち誇ったように緩んでいる。
この小悪魔的表情が可愛くて堪らない。
「当たり前だろ。僕という者が有りながら……。大事な彼女が自分の部下に口説かれてるの目の前にしてみろよ」
「だからって……」
ククッと思い出し笑いをして、折り曲げた人差し指でその笑みを隠す。
「で……。さっきの、その……。あれの返事は?」
ドキドキしながら尋ねる。
「あれ?ああ、あの恥ずかしい公開交際宣言、アーンド公開処刑プロポーズの事?」
そう。
あまり目立つ事が好きでは無い彼女からしてみれば、あれは正に公開処刑プロポーズ。
その通りだ。
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