ルール ~その1~

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僕の隣に彼女が深く腰掛ける。 「もう。何がみんなにはまだ内緒にしておこう、よ。それを言い出した本人がバラしちゃうなんて」 その声は呆れている。 「ゴメン。耐えきれなくて」 「ね?さっきのあれって……もしかして、ヤキモチ?」 一回りも年下の彼女。 その口元が勝ち誇ったように緩んでいる。 この小悪魔的表情が可愛くて堪らない。 「当たり前だろ。僕という者が有りながら……。大事な彼女が自分の部下に口説かれてるの目の前にしてみろよ」 「だからって……」 ククッと思い出し笑いをして、折り曲げた人差し指でその笑みを隠す。 「で……。さっきの、その……。あれの返事は?」 ドキドキしながら尋ねる。 「あれ?ああ、あの恥ずかしい公開交際宣言、アーンド公開処刑プロポーズの事?」 そう。 あまり目立つ事が好きでは無い彼女からしてみれば、あれは正に公開処刑プロポーズ。 その通りだ。
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