2019.2.7

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今日は二度と戻ることはないし、 いなくなった人が帰ってくることもない 過ぎ去ってから、 なくなってから、 大切なことに気がついたりする いつからか、一日は二十四時間と決まっている 壁に掛けてある時計の秒針が進んで一秒が過ぎる と、また進んで一秒が過ぎた いや、過ぎ去った 時が刻まれるスピード変わらない けれど、自分自身の中で早くなったり、遅くなったりもする いいかげんに過ごした惰性の日 別れを惜しんだ日 出会いに期待を膨らませた日 なんでもない日 楽しかった日 つらかった日 嬉しかった日 泣いた日 その時間を、丸めてゴミ箱に投げ込んだり めいいっぱい引き伸ばした そんな毎日に生きる なんだかよくわからない わからないことだらけだ 哲学とか、そういうんじゃなくて 「どうせいつかは死ぬ」 言ってしまえばそれまでだ いつかは死ぬ……当たり前じゃないか みんないつかは死ぬんだから、何かをしたところで意味なんてないのか と、そんなわけない 何をいっているんだ君は 「じゃあ、なぜ生きる?」 なぜ……なぜだろう 好きなもので笑ったり、 嫌なことで落ち込んだり 怒って、迷って、期待して、絶望して またわからなくなって なぜ生きるのか…… もしかすると、その答えを探すために生きてるのかもしれない そもそも、そんなことを考えている時点で負けているんだと思う 逃げているんだと がんばれ、って便利な言葉だとつくづく思う 私たちは臆病だからそう言ってしまう 逃げて、避けて ふと自分の体を見てみると、真っ黒だ がんばれ やっぱりこう言うしかないけれど それでも、だからこそ、自分なりに必死に生きようと思う 今日の空は何色でしたか? 雲はどんなふうでしたか? だれかに「おはよう」や「おやすみ」は言いましたか? たしかにあなたは「今日」という一日を過ごしました あなたの人生の中の一日です たった一日、されど一日 そこには、あなただけの大切な物語がきっとあります 2019.2.7
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