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それは突然はじまった
席替えをした、その次の日のことである
私たち二人が話していても、彼女は加わろうとしない
近づこうとすらしない
はじめは気のせいかと思ったが、やはり違った
彼女が纏う雰囲気が、いつも以上にナイーブだった
私たちは心配した
自分たちが彼女を傷付けたのではないかと
その日最後の授業が始まる前、私たちは意を決して彼女に話しかけた
「今日はどうしたの?」
彼女は笑顔でこちらを振り向いて言った
「……え? なにもないけど」
顔面は笑っているが、心は一ミリも動いていない
私はそう思った
確実になにかあるようだった
けれど教えてはくれない
仕方なく引き下がり、私たちは自分の席に戻った
その時から、二人と一人の間に大きな溝ができた
翌日も、その翌日も、彼女は私たちと距離をとったままだった
その間、彼女は大体一人でいて、またあの暗い雰囲気を纏っていた
私たち二人は話し合って、様子を見ようということになった
彼女なりの考えがあって、このような態度をとっているんだ、
無意味に謝ったり、無理に戻そうとするべきじゃない、と
そんなある日、同じクラスの女の子にこんなことを言われた
「ねぇ、なにかあったの? 私、あの子に相談されたんだけど」
「何を?」
「二人にハブられてるって」
ハブられてる?
私たちがいつそんなことをした?
自分から離れていったんじゃない
私たち三人は常に一緒にいなくてはならない
なんて、
そんなわけはない
グループや派閥なんてめんどうなものを押し付ける気はさらさらない
と思っていた
思っていたのに
周りの子に私たちがいじめていると言いふらし、私たちは白い目で見られた
もちろん、事情を説明すればわかってくれる子もいたが、それでも不快だ
その後も、彼女はただただ自分勝手に行動し続けた
彼女のことをあまり良く思っていない男の子に無視をされ、それを私たちがさせたと友人らに話したこともあった
なんの根拠もなく
被害妄想にはしっては、
拡散する
私たちは、もう心配などしていなかった
したくもなかった
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