女装刑事の〇〇奇譚

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 白粉をはたく。  淡い色の頬紅を乗せる。  まぶたにシャドウを乗せて、眉を引いて。  最後に、唇にほんのりとローズピンクの紅をさす。  差し出された鏡の中に、自分の知らない、少女がいた。  それは、しいて言うなら文化祭における、些細な余興(・・)での一つであり、皆の笑い(・・)を取るために課せられた、道化(・・)であっただけなのかもしれない。  しかし。  ただ、それは。  ()にとって、間違いなく、忘れられない衝撃となった。
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