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「ふっふっふっ、私からのチョコを期待してもダメだよ」
「わかってるよ」
「あ、そう言えば中学の頃なんかチョコが靴箱にって言ってたけどあるのかな?」
突然思い出したかのように何か言い出したと思えば。
「確かにそんなこともあったけど、第一それは中学の話だろ? そいつが俺と同じ高校に行ってるなんて保証はないんだぞ」
「えー、わからないよ?。もしかしたら同じ子じゃなくても直接渡すのは恥ずかしい、でも愛しいあなたにチョコを渡したいからって人がいるかもしれないじゃん?」
「そんなこと……」
「ない、とは言いきれないでしょ?」
「それはそうだけど」
「ま、そう落ち込まないで。実は可愛そうな涼平君にこの箱をプレゼントしよう」
「えっ!?」
「なによ、私からのバレンタインのプレゼントだよ、いらないの?」
「いや欲しい!」
「ならあげる♪」
「あ、ありがとう!」
そう言って僕は鈴音から箱を渡される。
これは間違いない、チョコだ。
少し浮かれ気味になってしまっているが、コイツの前で喜ぶのもあれだからな、平常心平常心……。
「あ、私職員室に行かなきゃいけないから先行くね」
「わかった。俺は校門で待ってるよ」
「うん、ありがと♪ じゃあ行ってくるね」
「おう」
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