バレンタインは貰えるチョコほど甘くはないんだよ♪

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 僕は箱に入っていた小説と紙をカバンに入れ昇降口へと向かった。  「……あれ?」  違和感はすぐにわかった。  僕の靴の入っている靴箱の前に立った時、明らかに一度開けられた跡があった。  「ははん、さては鈴音のやつ俺をウキウキにさせて落とすためにわざとこうしたな……」  一度に二度も引っかかるような俺ではない。  そう思いながら靴箱を開ける。  「……うそ、だろ?」  するとその中には沢山の箱、色々とラッピングがされていてどれもこれも可愛らしい箱でいっぱいだったのだ。  「ま、まさかな……」  そう思い試しに一つ開けてみる。  そこに入っていたのは間違いなくチョコ。しかもハート型。  「お、おいおいおいおい」  念のために他のも確認すると、靴箱に入っていた箱全てに可愛らしくデコレーションがされているチョコが。  「や、や、やったぞー!」  思わず大声で叫んでしまう。  「ど、どうしたの涼平君?」  その声を聞いて駆けつけたのか鈴音が心配そうな顔でこちらを見つめる。  「はっはっはっ、俺はやったんだ……」  「何をやっちゃったの?」  「ほら見てみろ鈴音! この箱全部チョコなんだぜ!」  僕はそう言って箱を鈴音に見せつける。  「うそでしょ!? 涼平君がそんなにモテテたなんて……」     
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