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バレンタインは貰えるチョコほど甘くはないんだよ♪
「あー今日はバレンタインかぁ……」
「そうだねぇー……」
二月十四日の放課後。
僕、古倉涼平と幼馴染みの朝霞鈴音は窓際で外を眺めながらそんなことを呟いた。
「涼平君は誰かにチョコ貰ったの?」
「……お前人の傷をえぐって楽しいか?」
「うん、楽しいよ?」
「お前なぁ……」
こんな風に話しているが、僕とこいつは本当にただの幼馴染み。
そりゃ昔はこいつからも貰えたけれど、中学に入ってから何故かそれも途絶え気が付けばこいつから貰えないのが普通になっていた。
「高校生になったらモテモテになってやるー! って言ってたのにね」
「う、うるさい! 俺だってモテモテになる……予定だったんだよ」
「顔はいいのにね涼平君。ただ目付きがねぇ?」
「俺だって好きでこうなったわけじゃないんだよ」
「あはは、わかってるって。涼平君は見た目は怖くてもとっても優しいって、私はちゃんと知ってるから」
「鈴音……」
「だから例え無しチョコだとしても気を落とさないで!」
「俺涙いいですか?」
「ダーメッ!」
「だってチョコ一つも貰えないし……」
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