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開始の時間よりちょっと遅れて会場に到着したが、もちろんわざとだ。真の主役は遅れて登場するもんだからな。フフフ、会場の扉を開ける前から一般庶民のクラスメイトどもの歓声が聞こえてくる気がするよ。
『きゃーっ! 今や人気ブーチューバーのソノキンこと“外部曽之太”君よ!』
『すげえ本物だ! いつもお前の動画見てるぜ!』
『私もファンなの! ねえねえ例のあのポーズやってくれない?』
『クラスの中から有名人が出るなんて俺達も鼻が高いよ!』
ふっ、これもスターの宿命ってやつか。人気者は辛いね。
俺は髪型を整え、みんなの待つ扉を押し開けた。
広い会場のど真ん中でテーブルを囲んでいたのは男三人、女二人のたった五人。
あれ? 会場間違えたか? まさか、もうお開きしたんじゃないだろうな……?
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