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「左衛門三郎君は今何をやってるんだい?」
さっそくキタ。そうだな。ストレートに答えるのもツマらんし、敢えてここは遠回しにヒントを出してやるとしよう。
「いや、特に何も……ただ好きなことして暮らしてる」
「ああ、ニートか。いいよなぁ、実家が金持ちだと」
おい。なんでそうなる。もう少し察しろよ。
「好きなことで暮らすと言えばブーチューバーもそうだよね」
お! ナイス女。
「ブーチューバーって、ネットに動画をあげて広告収入を得ている人か。あれもなかなか夢のある職業だよね」
「ウチの息子も毎日動画を見ているな。どうもブーチューバーの中にファンがいるらしくてな」
よしよしよし。いい感じの流れだ。キッズなら間違いなく俺を知っている。
「へえ、自分も将来やるとか言い出したら大変だね。この先どんどん競争相手が増えていくだろうし、飽きられたら終わりだし」
「そうだな。必ず食っていける保証はないしな」
「そーそー。人間、ちゃんと美味しい物を食べて生きてかないとねー。あ、美味しい物と言えばこの前食べたカレーが」
おいデブ! 話終わらせんなよ! このままじゃ俺、左衛門三郎という名前のニートで確定するだろうが!
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