1人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
私は女性だ。
だからこそ、有名になる存在だったが、今までそのことを誰も知る機会はなかった。
今回、イギリス国防省から守秘義務の範囲の変更が行われたことで、この経験を書くことができるようになった。
私はイギリス陸軍所属の特殊空挺部隊スペシャルエアサービス、つまりSASの一員だった。
女性の隊員は歴史上初めてのことだった。
セレクションでは散々隊員になることはできないと脅され、私もそのように感じたことはあったが、2回目のセレクションで受かることができた。
その後、第22SAS連隊、いわゆるレジメントのA中隊に所属した。
私の部隊はオペレーションエラミーに参加し、リビア飛行禁止区域内での作戦活動を行なった。
これは、カッザーフィー大佐の軍部隊の攻撃を阻止するために提案された軍事行動で、国際連合安全保障理事会で承認され、多国籍軍が参加した。
イギリス国防省の守秘義務の範囲になるため、分かり切った点でも、作戦日時や、降下場所を詳述することはできない。
主な任務は多国籍軍航空機攻撃の標的の確認だ。
目標は敵の戦車、テー・セーミジェシャト・ドヴァーの発見だった。まぁ、早い話がT-72だ。
もちろん、反政府軍の拠点となっているベンガジへ侵攻しているカッザーフィー軍の戦車や装甲車は、すでにトーネードGR4のストーム・シャドウ・クルーズミサイルによって絶え間ない攻撃が行なわれていた。
それで、我々の任務は、ベンガジへ向かっている機甲部隊を発見し、空爆目標として指定することだ。
最初のコメントを投稿しよう!