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作戦装備重量は80kgにおよんだ。 もう少し軽くできないかと部隊であれこれ考えたのだが、補給が期待できないことを考慮し、この重量になってしまった。 私は前もって肩と腰が死ぬことは分かっていたので、パッドにタオルを挟んだりなどして、行軍できるよう準備していたのだが、すべて無駄だった。 ないよりはましというか、あってもなくてもわからない。とにかく重いし、とにかく痛かった。 唯一良かった点と言えば、私は女性にしては胸がまったくない。 余計な重量物がないので、その分身軽だった。これが良いことなのかはわからないが。 また、それに輪をかけてイライラしたのはライフルの重さだ。 制式採用されていたSA80ファミリーはすぐジャムり、ただのダンベルになることが分かっていたので、ディマコのC8CTを携行することになった。 ライフル重量が5kgほどなので携行できるかと思ったが、擲弾発射器や長弾倉など、なんだかんだで8kgほどになってしまった。 それで、最新式のライフルなら軽量で信頼性も高いので、そっちの方がいいと私は子供のように駄々をこねたが、米軍の5.56x45mm NATO弾を使えるということもあり、これに決まってしまった。 使用するライフルは隊長権限で決めることができるが、今回ばかりは難しかった。 作戦において、我々は2日で100kmほど移動した。 最初の目標を発見したのは3日目だった。 我々の部隊は隠蔽されたT-72を発見し、目標対象確認、周囲状況確認、爆撃効果判定などを行なう必要があった。 T-72は廃墟となった村に隠してあった。 何らかの理由で、部隊の移動が頓挫しているのであろう。 なにせT-72は1971年に開発された戦車だ。それなりに故障も多い。
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