《第四章 蒼穹》

1/7
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ

《第四章 蒼穹》

Starting Over   小元は入社すると早速、金融機関との関係改善に動き始めた。商工銀行、東部信金ともに小元の経歴から今後のフェニックスタクシーの業績及び財務改善が図られ、会社の状態を平時に戻してくれると期待した。会社の情報は極力開示し、共有し合うことで早期の業績改善を狙った。洋子も近くに同じ話が出来て、頼りになる人が来てくれたことで静かな安心感を得ていた。「あまり飛ばしすぎないでくださいね?まだまだ、先は長いし、そう簡単なことではないですから。」洋子は気遣うように言った。小元もこれに答えた。「最初が肝心なんだよ。鉄は熱いうちに打てというだろ。着任した時が最もエネルギーに満ちている。このタイミングで何もしない人は、結局最後まで何もしない人だよ。それにこの会社には時間的余裕がない。できるだけアクションを起こして、結果を見て調整をしながらやっていかないとダメなんだ。経理処理や各種費用の見直し、公租公課も滞納している からここもやっつけないとね。」     
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!