いつも一緒

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 二人の少年がいた。二人の少年、SとN。この少年達は幼馴染で親友同士、物心がついた頃から常に一緒。 この二人、何をするのも一緒。お互いが一人っ子同士な為にお互いの家に泊まり合う事も珍しくない。二人の実の親からも「ここどっちの家だっけ?」と言われる程に二人は泊まり合っていた。正に一蓮托生が服を着て歩いている様な二人である。 友人達もSとNが常に二人で一緒にいるために二人で一人のような扱いをし、二人の間に深く入り込むような事はしなかった。  そんな二人が小学六年生になった頃この関係が壊れた。Sが唐突にNを無視しだしたのだ。 「なぁ、今日もお前んち行くわ」 「……」 Sは一瞥もせずに走り去った。そして別の友人と一緒に話しだしたのだった。今日はちょっと機嫌でも悪いのだろうか。まぁ遊びに行けばいつもの通りだろうと思い構わずに構わずに遊びに行くと家に居なかった。別の友人の元に遊びに行ったのだった。母親もNが遊びに来るのに出かけるSに対して疑問こそ思ったがたまにはそんな事もあるだろうとし余り深くは考えなかった。 「じゃあ、また遊びに来なさいね」と、母親が優しく言う。 Nはその友人の家は知っていたので行こうとも思ったがあまり付き合いの無い友人だったので行き辛かった。それ故に今回は諦める事にした。家に帰り一人でゲームに興じるがいつも二人でやっているゲームを一人でやっているせいか面白くない。つまらないので5分でやめてしまった。  その日以降SはNを徹底的に無視しだした。Nがいくら話しかけてもSはその言葉を聞こうとしない。いつも一緒にいた二人が急に会話もしなくなった事に親始め周りの友人達や教師は疑問に思い聞いてみるがその答えを得ることは無かった。Nに聞いても「急に無視した」と言う答えしか返ってこない。Sに聞いても「別に」と言ったそっけない答えしか返ってこない。Sは頑固なところがあるのかNを無視する理由に関しては誰にも一切答えない。 いつしかSとNはそれぞれ別々の友達グループに入りそこでの地位を確立するのであった。
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