知らせ

1/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ

知らせ

今日は夜勤明けで病院の忘年会がある。今、9時30分。これから買い物をして家に帰って少しは眠れる。でも、家族に夕飯を準備しないと。 彩子は夫と長男の3人暮らし。2人共、仕事をしている。 夕飯の準備をしないと、心置きなく忘年会に参加は出来ない。そうは、思っても今は夜勤明け。メニューが浮かばない。鍋でも作っておこうか、それともカレーかな? スーパーへ行く途中、車の中で その事ばかり考えていた。 スーパーに着いた。 スーパーの中をグルグル歩き回ってメニューを考えてみた。鍋?カレー?惣菜物?もう、嫌になるくらい考えた。あっ、鍋やカレーだと洗い物が出る。そんなの夫は嫌だろうな。そんな事も考えてメニューを決めなくてはならない。ああ、面倒くさい。早く帰って寝たいのにメニューが浮かばない。なんで、こうなんだろう。物事をパッと決める事が出来ない。考え過ぎて最後は忘年会に行くのさえ、面倒くさくなった。 そんな時、弁当コーナーがあった。しかも、夫や長男が好きなカツ丼があった。一瞬、「これだ。」と思った。 弁当なら、食べた後 容器は捨てればいいから。 もう、カツ丼を買って帰ろうと手に取ったら、余計なものがトッピングされていた。「何よ!これ、グリンピースなんていらないのに。」せっかくメニューが決まったのに、また振り出しかって思った。長男がグリンピースが嫌いなのである。グリンピースがトッピングされていると、絶対 食べない。ああ、面倒くさい。そう思いながら、またスーパーをグルグル歩き回って。でも、カツ丼が頭のどこかに残ってて、諦めるのは勿体ない。グリンピースの数を数えると、6個くらいだった。これくらい、どけて食べてくれないかな?もう、メニューが浮かばないから長男には、グリンピースをどけて食べるように言おう。もう、最初から そうすれば良かった。それで、カツ丼を買う事にした。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!