知らせ

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あっ、肝心な物を買うのを忘れていた。忘年会に着ていく服だ。去年の服は着たくない。着たくても着れない。ちょっと太ってしまったから。洋服選びには、2つの条件がある。1つは おなかが隠れる事。まっ、チュニックが安心だ。もう1つは薄手である事。たぶん、暖房がきいているから厚手だと汗ばんでしまうからだ。この2つの条件がクリアしていないと落ち着かない。なかなか、時間がかかりそうだ。移動なんてしていられない。スーパーに併設してある洋服屋で買う事にした。値段も手頃だし。 洋服屋の端から端まで歩いて、ようやく服を買った。これで、さっきのスーパーでカツ丼を買えば家に帰れる。夜勤明けと、カツ丼と 洋服選びでクタクタになった私は、やっぱり忘年会は面倒くさいって思った。少しは寝て、顔の疲労感だけでも消したかった。そんな事を思いながらカツ丼を買って家に帰った。一晩、留守にしただけなのに妙に家が懐かしかった。 帰ってすぐに買った物を冷蔵庫に入れて洗濯機を回し、洋服は すぐに着れるようにセッティングした。 お風呂のスイッチも入れ、あとはご飯を食べて入浴して寝るだけだ そう思ったら あくびも自然に出てきた。現在12時 「早くしないと寝る時間がなくなる。」そんな事を思いながらご飯を食べた。食べながら忘年会でやる余興の事を考えていた。 私は看護師をしているが、業務終了後 スタッフが居残りをしてAKB48の365日の紙飛行機の振り付けの練習をしていた。うまく、出来るか心配で箸を置いて振り付けを確認した。 ご飯が終わり食器を洗っていると、家の電話が鳴り受話器を取ると女の人が慌てた様子で「彩子さんですか?A病院の看護師の高橋ですが、お母さんが危ない状態なので、すぐに病院に来てください。」という事だった。私の勤務している病院にも電話したようで、後で「どこに行ってたの?。心配したよ。」ってスタッフから言われた。 それにしても、あまりに急な知らせで頭の中がグルグルと回っていた。「すぐにって、忘年会あるし寝ていないし。お風呂も沸いたし。」いろいろな事が浮かんできた。「母さんが危ないって?つい、3日前まで元気だった。嘘でしょ。」そんな事も思いながら、病院へ向かった。
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