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私にとって守は、なんでも話せる親友みたいな存在で。
中学までは私の方が背も高くて、運動だって私の方が得意だった。だからその時は、親友というより、ほとんど弟みたいな感覚だった。同い年だけど、守はどこか幼く感じていた。
だけど、高校になったら、突然に私よりぐんっと背が高くなって、体も急にガッチリと、どこか筋肉質になって、弟や親友から、急激に『男の人』になった。
でもそれは体つきだけで、中身は全然子供のままで、やっぱり私の中では、男として意識することはなかった。
なかったのだけど…
ある時、友達に面白がって化粧をされた。私は化粧をした、全く別人になった自分の顔が恥ずかしくて、教室を飛び出した。
そして何故か足は勝手に、守の元へ向かっていた。
化粧をした私の顔を見た守は、絶対似合わないと笑うと思っていたのに……
言葉を失って、私の顔を見つめてきた守は、頬を赤く染めて、今まで見せたことのないような顔をした。
トクン
小さく胸が鳴って、ムズムズして
守につられるように、私も顔を赤くしてしまった。
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