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管理者は今は亡きご主人さまです。小さき主人にそのパスワードを渡さなかったのは、私が秘密を守るためだと記憶しております。
「ユマ、融通効かなさすぎ!」
「ニムさんが与えるペナルティは勉学に関することだと認識しております。問題がありますか?」
「だって、漢字ドリル20ページとかだよ!? 遊べなくなっちゃうんだもんー。内緒にして!」
「遊べなくなるという理由は、ハルナさま個人の感情によるものと推察します。ニムさんとの連携機能の規定により、危険事態でない限りは情報が送られますので、今回はご期待に添えられません」
「ケチ! いいもん。ユマなんかにもう頼まない! 奈美ちゃんに嫌われたらユマのせいだからね!」
小さき主人は私の機体を押すと駆け出して行ってしまいました。最近はこういうことがよくあります。そして、248通りある対処方法の35通りめまでを試しましたが、良い結果は得られていません。私は36通りめの対処方法に準じて、「ほおっておく」ことを実行することにしました。私は小さき主人に対しては何もしないのがタスクとなります。タスク処理結果に基づき、次のタスクである、朝食を用意することにいたします。
ご主人さまがその秘密を私にお話してくれたのは、小さき主人がご友人方と遊びに出ている時でした。
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