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朝食が出来上がりました。家の中のセンサーを確認します。小さき主人はご主人さまの書斎で、何かの本を読んでいらっしゃいます。
私はほおっておくタスクと小さき主人を呼びに行くタスクの優先順位を演算いたします。小さき主人の空腹の可能性が得られたため、呼びに行くタスクが優先的に設定されました。書斎へと向かいます。
「ハルナさま。朝ご飯ができました」
「あ! ユマ、これ見てよ! ママの日記みたいなの!」
小さき主人の表情は「楽しい」に変化しています。「ほおっておく」タスクはうまくいったようです。私は、36通りめのタスクを小さき主人が突発的に不機嫌になった場合の優先順位として最上位に設定しました。
「はい、こちらはご主人さまの日記でございますね。ハルナさま、朝ご飯を食べてからお読みになってはいかがですか?」
「えー。じゃあ、テーブルに持って行ってもいいかな?」
「問題ありません。おもちいたしましょうか?」
ご主人さまの日記はとても分厚く、小さき主人にとっては重いものと判断しました。
「ありがとう。でも、大丈夫だよ。自分で持ってく」
朝食の間も小さき主人は日記を気にされていました。この後小さき主人は中学校に行く予定ですが、それまでの時間を読書をして過ごすとのことです。
「時間になったら呼びにまいります」
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