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「うん。わからないことがあったら聞くかも」
「はい。いつでもお声がけください」
小さき主人のお部屋のドアを閉めます。私はスタックされているタスクの優先順位が最も高い、朝食の片付けを処理いたします。洗濯と小さき主人の支度のお手伝いをするのが、小さき主人のお出かけまでのタスクです。
全ての処理を終えると、ご準備の時間の5分前でした。タスク処理に遅延はありません。小さき主人のお部屋へと向かいます。
お部屋をノックして入室すると、日記を持ったまま小さき主人が上を見上げておりました。表情に元気がなく、熱が出た時のようにぼうっとしています。
「ハルナさま、お時間です。熱はございませんか?」
「あ、ユマ。大丈夫。もう学校へ行く時間?」
「いえ。お支度の時間です。制服に着替えて歯磨きをしてください」
「はあい」
小さき主人の返事を聞きながら、体温を計ります。平熱のため、大丈夫という言葉は本当のようです。
「ねえユマ、ママは本当に私のママだったのかなあ」
「ご主人様はハルナさまのお母様で間違いございませんよ。戸籍データもそうなっております」
「そう、なんだよね」
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