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1.涙の乗車券(Ticket To Ride / The Beatles)
自分と服部昴の関係を説明する時、どこから説明し始めれば良いのか、かれんはいつも迷ってしまう。
取りあえず、二人の生い立ちから説明し始めれば良いのだろうか。
昴とかれんは遠い親戚だ。
かれんの母親が言うには、昴は「母親の『はとこ』の『いとこ』」らしい。
ただ、そう言う母親も時々首を傾げながら「はとこのいとこの子どもだっけ?」と言っているので、定かではない。
まあ、遠い親戚であることだけは定かだった。
普通なら「母親のはとこのいとこ(の子ども)」みたいな遠い親戚とは交流がないことがほとんどだが、昴とかれんの家はなぜか近所にあり、小さい頃から家族ぐるみで付き合いがあった。
昴とかれんは物心ついた時から一緒に遊んでいて、言わば「幼馴染」という関係だった。
近所に住んでいる上に同い年だったから、毎日同じ幼稚園へ一緒に登園した。
もちろん、小学校も中学校も一緒だ。
でも、高校はかれんは公立の高校へ、昴は地元でも有名な名門の私立高校へと進学した。
大学生になった昴とかれんは、完全に別れ別れになってしまう。
かれんは地元の国立大学へ進学し、昴は東京の私立大学へと進学してしまったからだ。
大学生になってから、昴とかれんの交流はほとんど途絶えてしまった。
そして、その後いろいろなことがあり……。
現在、27歳になった昴とかれんの交流は、それこそ幼稚園の頃のように、また密なものとなっていた。
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